Yoshihiko Tsumekawa

2021年3月15日6 分

スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート10 背骨の胸の部分の動きの低下

自己紹介

こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川です

私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております

このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください

前回のまとめ

前回の記事ではスクワットやしゃがんだ時の膝の痛みの原因の中から、「背骨の腰の部分の動きの低下」が原因の膝の痛みについての詳細やチェック方法、改善方法をご紹介しました

背骨の腰の部分を腰椎(ようつい)と言います

この部分の動きが低下する事で股関節や骨盤の動き、体幹の安定性が低下し、スクワットやしゃがむ動作を行った時に股関節や膝をバランス良く使うことが出来ず、体重を分散することが出来ません。これにより膝への負担がまして痛みに繋がる場合があると書きました

今回は「背骨の胸の部分の動きの低下」によって膝の痛みに繋がる場合をまとめたいと思います

スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート10

背骨の胸の部分の動きの低下

目次

1 背骨の胸の部分の動きの低下とは?

2 背骨の胸の部分の動きの低下のチェック方法

3 背骨の胸の部分の動きの低下の改善方法

4 改善方法を試して効果があったかのチェック

1 背骨の胸の部分の動きの低下とは?

前回の記事で背骨は首の骨が7個、胸の骨が12個、腰の骨が5個で構成されていると書きました

背骨の胸の部分とはこの12個の胸の部分で、専門用語では胸椎(きょうつい)と言います

ちょうど人の背中で示すと、写真の赤い四角の部分が胸椎です

胸椎の動きは4種類あり、曲がる(屈曲)、反る(伸展)、横に倒す(側屈)、回す(回旋)があります

この中でスクワットやしゃがむ動作に非常に関わるのが曲がる(屈曲)と反る(伸展)の動作です

胸椎が曲がった状態ではいわゆる猫背のような姿勢になり、胸椎を反った姿勢では胸を張った姿勢になります

猫背に悩む方も多いように、現代人では圧倒的に胸椎が曲がった状態の方が多いです

その状態が長く続くと胸椎を伸展させようとしても曲がったまま固まってしまって、なかなか動かなくなってしまいます

そしてこの「胸椎を伸展できない、反ることが出来ない」というのがスクワットやしゃがむ動作での膝の痛みに繋がる場合があります

スクワットやしゃがむ動作の際には腰から上は(正確には股関節から上)前屈みにならないといけません

重力は常に身体を下に引っ張ろうとしてますので身体には背中を曲げようとする力がかかります

そしてその曲げようとする力に対抗するべく背中の筋肉は緊張します

この時に胸椎が曲がったままだと背中の筋肉は伸ばされながら力を発揮しなければならず、それには非常に強い負荷がかかります

この状態では背中の筋肉を過剰に使ってしまい、身体の前側にある腹筋などとのバランスが取りづらくなり、体幹の安定性が低下します

前回の記事にも書きましたが、体幹の安定性が低下すると股関節やお尻の筋肉をうまく使うことが出来ずに、膝への負担が増加します

それゆえ、胸椎の伸展が出来ないとスクワットやしゃがむ動作での膝の痛みに繋がります

2 背骨の胸の部分の動きの低下のチェック方法

では、胸椎の伸展はどうチェックすればいいのでしょうか?

胸椎の動きのチェック方法はYouTubeなどにも多く掲載されていますが、今回は非常に簡単なものを1つご紹介します

動画にもまとめてありますので、動画をご覧の方はこちらをクリックしてください

やり方は以下の通りです

1 まず椅子に座ります。この時に足の裏は地面につけてください

2 手は胸の前で交差します(これは肩が痛い方などはやらなくても構いません)

3 次に椅子に当たっているお尻の骨の部分を感じます

4 お尻の骨の部分を感じられたら、そこに体重を載せるように座ります

5 その状態から胸を反っていきます。イメージとしては身体が後ろに倒れるような形になります

6 重要なのはこの時にお尻の骨に体重をかけている感覚を常に感じることです

7 胸を反れるだけ反ったら、次はその状態から目線を上に向けます(この姿勢では後ろを見るようなイメージです)

8 目線を上げるとさらに胸椎を反れると思います

9 限界まで反ったら元の位置に戻ります

10 この動きで、首が痛くなる、腰が痛くなる、胸椎を反らすことが出来ないという方は胸椎の伸展の動きが低下している場合があります

3 背骨の胸の部分の動きの低下の改善方法

胸椎の伸展は膝の痛みの他にも、スポーツのパフォーマンスや日常生活の動作にも非常に関わってくる動作なので、この動きを改善することの効果は大きいです(例えば頭上に手を上げる動作も胸椎の伸展は必要になってきます)

ですが、胸椎の伸展を獲得したり意識的に動かすというのが難しい面があります

ですのでいくつか改善方法をご紹介し、それらを試していただいてご自身に合いそうなものを継続していただくのがいいと思います

1つ目はフォームローラーを使った直接的なやり方です

参考動画はこちら

2つ目はこちらもフォームローラーを使いますが、ここでは肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで胸椎の可動性向上を狙います

参考動画はこちら

3つ目は前回もご紹介したキャット&ドッグです。これも胸椎の動きを改善する効果が期待できます

参考動画はこちら

4つ目はヨガで行われるダウンドッグの姿勢です。これも大きく動かすと胸椎の動きを改善出来ます

参考動画はこちら

そして最後はチェック方法でご紹介した動きを改善方法としても行うパターンです。このエクササイズで胸椎を動かす感覚が獲得できれば、他のエクササイズやトレーニングにも非常に応用が効きやすいです

4 改善方法を試して効果があったかのチェック

上記の改善方法を試してみて、再度2で行った座って胸を反る動きをやってみてください。首や腰の痛みの改善、前より反れるようになっていれば胸椎の伸展の動きが改善した可能性が高いです

次に実際にスクワットやしゃがむ動作を行う際も胸椎を反る感覚を試しながら行ってみてください

最初は胸椎ではなく腰を反る動きをしてしまう場合などもありますが、胸椎を動かす感覚に慣れてくればくるほどやりやすくなっていくと思います

先ほども述べましたが、胸椎の伸展は現代人では非常に制限がかかっている動きであり、それゆえにその動きの改善から得られる効果は高いものがあります

是非一度試してみてください

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました

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