Yoshihiko Tsumekawa

2021年7月5日5 分

肩の痛みは鎖骨から!? ①

自己紹介

こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です

私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳振盪リハビリを行っております
 

このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください

本日の記事はこちら↓

肩の痛みは鎖骨から!? ①

当店にパーソナルトレーニングやリハビリでお越しいただくお客様で肩の痛みを抱えてらっしゃる方は多いです

四十肩、五十肩というように急に肩が上がらなくなってしまう方もいれば、徐々に痛み出してから痛みがなかなか取れない方もいます

肩はその構造的に非常に繊細な関節で、肩周りの筋力のバランスや過剰な負荷、もしくは長時間の不活動(動かさない)などでも違和感や痛みに繋がる場合があります

一般的に言われる「肩」とは上腕骨(腕の骨)と肩甲骨の間の関節を指します

この肩関節は他の関節と非常に密接に連結しており、肩甲骨は肋骨や鎖骨と繋がり、鎖骨は胸骨という胸の真ん中の骨に、肋骨はさらに胸骨と背骨に繋がります

よく「肩甲骨が硬いと肩を痛めやすいので、肩甲骨をほぐす!」というような表現が聞かれます

確かに肩甲骨の動きが悪いと肩関節への負荷が強くなり、痛みの原因となる場合が多いです

ただ、肩甲骨の動きというのは、それに繋がっている鎖骨や肋骨・背骨からも大きな影響を受けます

つまり

「肩甲骨の動きが悪い」→「肩が痛くなる」場合もあれば

「鎖骨、肋骨、背骨の動きが悪い」→「肩甲骨の動きが悪い」→「肩が痛くなる」場合もあります

もちろん、肩の痛みの原因の全てが上記で示せるわけではないので、そこは留意してください

肩関節自体に原因があったり、肘や手首が原因の場合、もしくは内臓疾患が原因で肩に痛みが出る関連痛の場合もあります

ちなみに肩とは反対側の股関節の動きが肩関節の痛みや怪我への関与を示唆している研究もあります(その文献はこちらをクリック。この類の研究は野球関係では時折見ます)

このように肩に痛みがあったとしても、実はその原因は肩だけではなく他の関節も関わっている場合は多いです

そのような数ある肩関節の痛みの原因の1つで、「鎖骨の動きの低下」というのは当店にお越しいただくお客様の中では多い印象です

鎖骨は喉元から肩に向けて伸びており、内側で胸の骨と繋がり、外側で肩甲骨と繋がります

ご自身の鎖骨を触りながら肩を頭上に挙げたり、胸の前で交差したり、大きく胸を開くように動かしてみるとわかりやすいかと思いますが、肩を動かせば必ず鎖骨も動きます

左の鎖骨を動かしながら左の肩を動かし、次に右の鎖骨を動かしながら右の方を動かしてみてください

これだけでもご自身で左右の鎖骨の動きに違いがわかる時もあります

左右の肩を同じように動かしても、左右の鎖骨の動きに違いがあればそれは鎖骨の動きが低下している場合があります

では、なぜ鎖骨の動きが低下してしまうのでしょうか?

これの際たる原因は

「動かさないから」だと思っています

非常にシンプルですが、これには2通りの意味があります

1つ目は「鎖骨を動かすことが少ないから」、

2つ目は「鎖骨が動きにくい状況にあるから」です

まず1つ目の「鎖骨を動かすことが少ないから」ですが、人の身体で常に動かしている部分や関節であれば、その動かしている範囲の動きは保存されます

例えば日常生活で肩を90度まで挙げる動作を毎日のように行う方は、その90度までの関節の可動性や柔軟性、なめらかさは保存されます

ですので毎日90度まで肩を挙げる動作は非常に簡単ですし楽に行えます

もちろん90度まで肩を挙げる際の鎖骨の動きも保存されます

ただ、90度より更に上に挙げる動作(例えば高いところにある物を取る動作など)は行っていないので身体に保存されません

それゆえ、いざそのような動作が必要になった時には90度まで肩を挙げる動作とは打って変わり、非常に難しく、ぎこちなく、時には無理をしながら行う場合もあります

このように、人の身体の動きは使わなければ失う(Use it or Lose it)という原則があります

そして肩関節というのは非常に大きく動く関節です

その大きな動きは肩関節だけでなく、鎖骨や肩甲骨の動き、肋骨や背骨も大きく動くおかげで成り立っています

ですので肩を動かすことが少ない場合、例えば座って作業をする時間が長い場合など、肩や鎖骨も大きく動かすことはありません(時々背伸びをするぐらいでしょうか?)

動かす範囲が狭く動かす頻度が少なければ、それに必要な可動性や柔軟性、なめらかさを失っていきます

ですので、動かさないことで鎖骨周りの筋肉や関節がどんどん動かなくなっていきます

これが1つ目の「鎖骨を動かすことが少ないから」の「鎖骨が動かなくなる」の意味です

そして2つ目の「鎖骨が動きにくい状況にあるから」ですが、これは肩関節が非常に大きく動く関節であるということに非常に関係しています

肩関節はその構造上、大きく動く「可動性」を有している関節ですが、その分「安定性」を保つには非常に繊細なバランスが必要になります

このバランスを失って「安定性」が損なわれた場合、肩関節は過剰に大きく動いたり、正常な関節の動きを失う場合があります

先ほど、肩関節の動きは鎖骨や肩甲骨、肋骨や背骨が動くことにより成り立っていると述べました

もし肩関節が正常よりも大きく動いた場合、相対的に鎖骨などの動きは少なくなります

例えば肩を真上まで挙げる動作を肩関節とそれ以外の関節が半分ずつ動くことで成り立っていたとしたら、肩関節が過剰に大きく動く場合はその分肩以外の関節は動く必要がなくなります

このように本来であれば動くべきところが、他の箇所(肩関節)が過剰に動くことによって動く必要がなくなってしまう

鎖骨は動く準備は出来ていたけれども、肩関節が過剰に動くことで鎖骨が動く機会が減少し、最終的に動きが少ない鎖骨は動きにくくなっていきます

これが2つ目の「鎖骨が動きにくい状況にあるから」の意味です

鎖骨の動きが低下してしまう原因がわかったところで、ではどのように鎖骨の動きを改善していけばいいのでしょうか?

これは動画での説明も含めてまた次回の記事でまとめようと思います

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました

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