アキレス腱障害:オランダスポーツ医学協会のガイドラインを参考に


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こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です


私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのスポーツリハビリ/パーソナルトレーニング/コンディショニング/脳振盪リハビリを行っております

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アキレス腱障害:オランダスポーツ医学協会のガイドラインを参考に


アキレス腱とはふくらはぎの筋肉と踵の骨を繋いでいる腱です



人体で一番大きな腱であり、運動やスポーツをあまりされない方でも「アキレス腱」という単語は知っているのではないでしょうか


(ちなみにこのアキレス腱の語源はギリシャ神話に出てくる「アキレウス」です。なぜアキレウスが語源なのかはウィキペディアに詳しく書かれているので参照ください。なかなか面白い話です)


このアキレス腱ですが、ジャンプやランニングが多いスポーツでは痛みが発生しやすい場所の1つです


このアキレス腱周囲の痛みやそれに付随する機能低下を「アキレス腱障害」と呼びます


典型的なアキレス腱障害の痛みの出方は以下のようなものです


「歩くたびに痛い」


「朝起きて一歩目が痛い」


「身体が動いてくると痛みが和らぐけど、固まると痛くなる」


個人的な感覚ですが、このアキレス腱障害の治療やリハビリは非常に難しく、一旦痛みが慢性化してしまうとなかなか痛みをゼロにすることは難しいです


特にスポーツ選手などで運動を長期間休むことが難しい場合はさらに厳しくなります


このように厄介なアキレス腱障害に対して、つい先日オランダのスポーツ医学協会(the Dutch Association of Sports Medicine)が診断や治療に関してのガイドラインを発表しました


今回はそれを見つつ、現在はどのようにアキレス腱障害に対処すればいいのかをまとめたいと思います


オランダスポーツ医学協会:アキレス腱障害への学際的なガイドライン



学際的とは”多くの専門分野にわたって、、、”と言う意味で、1つの視点からだけでなくいろんな専門家の視点からこのガイドラインは作成されています


このガイドラインではアキレス腱障害に関して6つのブロックに分けて書かれています


それぞれのブロックに関して実施すべきことや推奨されることが書かれていますが、その中でも今回は以下の4つのブロックについてまとめたいと思います


1 リスク要素と予防

2 治療

3 長期的な予後

4 再発予防


リスク要素と予防

現在のところアキレス腱障害につながるリスク要素としては加齢とオーバーワークが挙げられています


また、遺伝的要素、身体的要素、健康問題、内服薬などの影響もあると考えられています


ただ、アキレス腱障害につながるエビデンスが強いリスク要素への統一した見解はありません


そのため予防策も科学的根拠が強いものがありません


ただし、予防に関しては以下の原則が推奨されています

・負荷の漸増

・ふくらはぎの筋力強化

・冬季トレーニング中のアキレス腱周囲の保温


個人的にはアキレス腱障害のリハビリや予防では、踵や前足部のアライメント、ふくらはぎの筋力、アキレス腱周囲の滑走性、膝の安定性、股関節の可動性や安定性、胸郭の可動性などをチェックする場合が多いです


治療


アキレス腱障害は基本的には慢性の痛みや機能障害を指しますが、慢性の症状はどの怪我であっても治療やリハビリが難しいです


特にアキレス腱障害ではスポーツや痛みが出る動作を短期間だけやめても、ほとんど改善が見込まれないということを患者には伝えるべきとこのガイドラインでは掲載されています


それゆえ治療では運動を中止して様子を見るよりも、他の選択をする必要があります


現在アキレス腱障害で実施されている治療は運動療法、装具(インソールなど)、体外衝撃波、内服薬、針、注射、統合療法などがあります


ただし、最初の治療の選択肢は主に患者への教育、負荷のコントロール、ふくらはぎの筋力強化などの運動療法などになります


患者教育の内容は現状の状態、予後、痛みやメンタル面へのサポートを含みます


患部への負荷は4段階に分けて徐々に強度を上げるべきで、

ステージ1:痛みが出る行為の一時停止(スポーツや運動の中止)

ステージ2:痛みが出ない行為の再開(痛みのないスポーツ動作や運動も含む)

ステージ3:運動負荷の漸増

ステージ4:スポーツや運動中の痛み強さ具合を測りながら、運動量や負荷の調整


また、ふくらはぎの筋力トレーニングは最低でも12週間は行うべきです


3ヶ月間治療を継続し、特に変化が見られない場合は以下の選択肢も検討されるべきです

・体外衝撃波

・夜間の固定具

・フリクションマッサージ

・レーザー療法

・痛み止めやPRPなどの注射

・針治療


ただし、抗炎症薬の服用やステロイド注射の実施は十分検討した上で行われるべきです


アキレス腱障害において手術を選択する場合は、最低でも半年間は運動療法や他の治療を実施して回復が見込まれない時に検討されるべきです


予後


多くの患者はアキレス腱障害から回復しますが、23-37%は長期にわたり症状が続くことがあります


アスリートであれば85%がアキレス腱障害より競技復帰をしていますが、パフォーマンスレベルが完全に戻ったのか、全く症状がない状態で競技が続行できているのかは今のところ不明です


アキレス腱障害の長期的な予後を予測するのは難しく、長期の予後に関わる要素を現在のところわかってはいません


再発予防


前述の通り、アキレス腱障害には十分な治療時間が必要とのことを伝えるべきです


特にスポーツや運動を全く症状なしで復帰するには、少なくとも数ヶ月の治療が必要です


数日間の休養のみでのスポーツ復帰はアキレス腱障害再発のリスクは非常に高いです


また、ふくらはぎへの運動療法はアキレス腱障害の症状が改善したとしても継続することを検討すべきです


まとめ


今回のガイドラインではアキレス腱障害は少なくとも3ヶ月は運動療法(リハビリ)などを継続すべきであり、短期での回復は難しいと言っていたのが印象的でした


個人的にもアキレス腱の症状は短期ではなかなか改善が難しく、よくなったとしても早期復帰では症状が再発しやすい印象です


プロアスリートであれば痛みがあってもやらなければいけない時もあるかもしれませんが、学生や一般の方であれば痛みを慢性化させないためにも、適切な診断や治療・リハビリが必要です


アキレス腱障害でお困りの方は是非一度当店にご相談ください


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました


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