スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート2

自己紹介
こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川です
私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで代表をしており、一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております
このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください
前回のまとめ
前回の記事ではスクワットやしゃがんだ時の膝の痛みの原因についてご紹介し、合計で12個の原因を挙げました(他にも多くの原因はありますが、今回は12個のみのご紹介です)
今回からは12個の原因1つずつの詳細や改善方法などを書いていこうと思います
スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート2
足の親指の動きの低下
目次
1 足の親指の動きの低下とは?
2 ご自身で出来る足の親指の動きチェック
3 チェックで悪かった場合の改善方法
4 改善方法を試して効果があったかのチェック方法
1 足の親指の動きの低下とは?
足の親指の動きの低下、、、、
と言われてもピンと来ない人の方が多いと思います
まずはこの「足の親指の動きの低下」という長い文言を分解して、理解しやすい様にしようと思います
これを分解して「足の親指」、「動き」、「低下」の3つに分けて考えたいと思います
まず「足の親指」とはどこか?
下の写真は足の骨を上から見た図です

足の親指には2つの関節がありますが、写真内の赤い丸に囲まれている関節をここでは足の親指の部分としています。この関節、専門用語では母趾MTP関節、もしくは母趾中足趾節関節(ぼしちゅうそくしせつかんせつ)と言います
外反母趾がある方は、この母趾MTP関節というのは聞いたことがあるかもしれません
素足で見ると下の写真の様になります。この人差し指で指し示している部分が母趾MTP関節、ここで言う「足の親指」の部分です

次に「動き」ですが、基本的にはこの「足の親指」の部分は曲げる動きと反る動きの2種類の動きが起きます(正確には外や内にも動きますが、ここでは省略します)
曲げる動きとは下の写真の様な動きです

反る動きはこの動きです

この2つの動き(曲げると反る)の中で、ここでは「反る」ことを動きとして指しています
最後に「低下」とは、動く範囲が狭まることをここでは意味しています(可動域の低下とも言います)
ですので、「足の親指の動きの低下」とは
母趾MTP関節の反る動きの動く範囲の低下という意味です(専門的には母趾MTP関節の背屈可動域制限)
では、なぜこの「足の親指の動きの低下」がスクワットやしゃがんだ時の膝の痛みに繋がるのでしょうか?
スクワットやしゃがむ動作をした時、足の3つの関節(足首、膝、股関節)は全て屈曲という曲がる動きをします
この時、もし何かしらの原因で足首の曲がりが制限されていれば、膝や股関節がより曲がらなければいけなくなります(バランスを取ろうとする、膝や股関節で庇うとも言えます)
現代の生活では股関節の動きは制限がかかりやすく(長時間同じ姿勢のままでいることなどで)、そうなると足首が制限されていれば膝でしか庇うことが出来なくなります
そして「足の親指の動きの低下」というのが、足首の動きの制限を引き起こす1つの原因となります
ふくらはぎの筋肉が硬いと足首が硬くなるとよく言われたりしますが、足の親指についている筋肉も足裏から足首の後ろを通ってふくらはぎの部分まで伸びています
ですので、足の親指の反る動きが制限されていれば、足首の動きも制限されている可能性が高く、足首の制限が膝に余計な負担をかける場合があります
2 ご自身で出来る足の親指の動きのチェック方法
チェック方法は2種類あります
1つ目は下の写真の様に足の親指を目一杯反らしてみて、それを左右で比較します

もう1つは足の親指のストレッチを行い、伸びる感覚や伸びる位置、動きやすさの感覚を左右で比較します
下の写真の様なストレッチを行います。動画はこちらをクリックしてください(YouTubeに飛びます、詳細な説明も一緒に載っています)

どちらか一方でもいいですし、両方とも行って膝が痛い方の足とそうでない足の親指の動きをチェックしてみてください
3 チェックで悪かった場合の改善方法
もし2のチェック方法で左右差があった場合、それを改善することで膝の痛みを改善出来る場合があります
では、具体的にはどうすればいいのか?
それは2のチェック方法でご紹介したストレッチを行います!(再度ですが動画はこちら)
ストレッチは大体2分ほど伸ばすのを維持出来ればいいと思います
ストレッチを行っている最中は伸びる感覚が足裏/内くるぶし辺り/ふくらはぎに感じることが出来たら、目的とする組織を伸ばせていると思います
4 改善方法を試して効果があったかのチェック方法
これには2つあり
① 2で行ったチェックを再度行い、ストレッチ前と比較する
② スクワットやしゃがんだ時の膝の痛みの変化をチェックする
3でストレッチをしているので、ほとんどの場合では足の親指の動きは改善していると思います
ですので、より重要なのが②の膝の痛みの改善の有無になります
もし足の親指の動きの低下が少しでも膝の痛みに関わっていれば、痛みが0にはならなくても改善や変化が期待できます
逆にもしこれで大きな変化(自覚できる変化)がなければ、可能性としては以下のものが考えられます
① 足の親指の動きと膝の痛みには関係がなかった、もしくは薄かった
② 3で行ったストレッチの質や時間が十分でなかった
①の場合はこれからご紹介する他の原因に対してアプローチをしていけば、膝の痛みが改善する可能性があります
②の場合では、日を跨いで何回かこのストレッチを試してみて、それでも変化がなければ足の親指の動きと膝の痛みには大きな関係はないと言えると思います
まとめ
今回は「足の親指の動きの低下」が膝の痛みに繋がっている場合のチェック方法や改善方法をご紹介しました
次回は「足のアーチの動きの低下」が原因の場合をご紹介しようと思います
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました