スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート9 背骨の腰の部分の動きの低下
更新日:2021年4月8日

自己紹介
こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川です
私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております
このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください
前回のまとめ
前回の記事ではスクワットやしゃがんだ時の膝の痛みの原因の中から、「お尻の筋肉の機能低下」が原因の膝の痛みについての詳細やチェック方法、改善方法をご紹介しました
お尻の筋肉の機能が低下するとスクワットやしゃがんだ時に股関節で体重を支える事が出来ずに、膝への負担が増してしまい痛みに繋がる可能性があると書きました
今回は「背骨の腰の部分の動きの低下」によって膝の痛みに繋がる場合をまとめたいと思います
スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート9
背骨の腰の部分の動きの低下
目次
1 背骨の腰の部分の動きの低下とは?
2 背骨の腰の部分の動きの低下のチェック方法
3 背骨の腰の部分の動きの低下の改善方法
4 改善方法を試して効果があったかのチェック
1 背骨の腰の部分の動きの低下とは?
背骨の腰の部分とは?
少しまどろっこしい言い方ですが、背骨は首の骨が7個、胸の骨が12個、腰の骨が5個の合計24個の骨が繋がって構成されています
ですので、背骨の腰の部分とはこの5つの腰骨のことを指します
専門用語ではこの背骨の腰の部分を腰椎(ようつい)と言います
腰椎は曲がる(屈曲:くっきょく)、反る(伸展:しんてん)、回す(回旋:かいせん)、横に倒す(側屈:そっくつ)という動きが可能ですが、スクワットやしゃがむ動作で主に関わってくるのは曲がる動作(屈曲)と反る動作(伸展)です
腰椎は通常であれば身体を前に倒せば屈曲し、後ろに倒せば伸展します
ですが、膝の痛みがある方で腰椎の動きの低下がある場合、この腰椎が
「曲がったまま反らない」
「反ったまま曲がらない」
というパターンがあります
曲がったまま反らないというのは、高齢者などではよくみられますが、腰が曲がっていてその状態から動けなくなっているのを想像して頂ければいいと重ます
逆に反ったまま曲がらないのは、反り腰の状態から動かせないとイメージしてみてください
では、なぜこれが膝の痛みに関わるのでしょうか?
まず「曲がったまま反らない」場合
腰が曲がったままでスクワットやしゃがむ動作をした場合、股関節をうまく曲げる事が出来にくくなります
股関節がうまく曲がらない・使えないと股関節に体重をかける事が出来ずに、膝への負担が増加してしまいます
次に「反ったまま曲がらない」場合
この場合では股関節はうまく曲げられても、お尻の筋肉を使って体重を支える事が出来にくくなります
ですので先ほどと同様に膝への負担が増して痛みに繋がる可能性があります
そしてどちらの場合も腰椎が動かなければ腹筋を正常に使って体幹を安定させる事が難しくなります
体幹が安定しなければその近くにある股関節やお尻はうまく機能せず、それ以外の場所(例えば膝など)で庇ってその部位への負担が増えてしまいます
2 背骨の腰の部分の動きの低下のチェック方法
ご自身の腰がどの程度動くのかをチェックしていきます
鏡の前に横を向いて立ちます
そこで前屈(前に倒れる)を行います

この時に腰から首にかけて丸いカーブが描かれるかどうかをチェックしてください
腰だけ一直線のように見えていれば、腰椎の可動性が低下している場合があります(この写真では腰が真っ直ぐなのが見えると思います)
次に立った姿勢に戻ります
ここから身体を後ろに倒していきます

この時に腰の違和感やつまり感をチェックします
もし腰の違和感やつまり感があれば、腰を反る動きが低下している場合があります
(※注意:腰を反る動きで違和感があった場合は他にも様々な原因があるので、腰椎の可動性の低下はあくまで可能性の1つとして考えてください)
3 背骨の腰の部分の動きの低下の改善方法
もし腰椎の動きの可動性が低下していた場合、その改善方法にはさまざまなアプローチがあります
もし腰椎周りの筋肉の硬さが原因で動きが低下していた場合は、その周辺をマッサージやほぐすことで動きの改善が可能な場合もあります
さらに腰椎の可動性の低下は腰椎自体の問題よりも他の部位が動きが悪くなった事を庇うために起きている場合も多いので、腰椎だけでなく股関節や次回ご紹介する胸椎(きょうつい)の動きも合わせて改善させる必要もあります
ただ、今回はご自宅で出来る改善方法を1つご紹介します
ご紹介するのはキャット&ドッグ(キャット&キャメルとも呼ばれます)というエクササイズです
四つん這いの状態から腰を曲げる⇄反るを繰り返していきます
このエクササイズのやり方はいくつかあり、曲げる反るの動きと同時に呼吸も合わせて行うやり方や、腰を動かすというよりも骨盤を動かす感覚で行うものなど、意識と目的によって使い分けが可能です
ただ、最初は腰を大きく動かすという事が出来ればいいかなと思っています
参考動画はこちらをクリックしてください
4 改善方法を試して効果があったかのチェック
先ほどのキャット&ドッグを行った後に、再度立った姿勢から前に倒れる動作と後ろに倒れる動作を行ってみてください
もし改善があれば、腰椎の可動性低下があった可能性があります(このキャット&ドッグでは股関節の動きも多少改善しますので、そちらの影響がある場合もあります)
そしてスクワットやしゃがむ動作で膝の痛みをチェックしてみてください
腰椎の可動性が低下していると体幹も不安定になっている場合があるので、キャット&ドックで腰椎の可動性が改善した後に、呼吸動作などで体幹の安定性を作り出す必要がある場合もありますが、もしキャット&ドッグだけで膝の痛みに変化があれば腰椎の可動性改善→体幹安定力向上を行う事で膝の痛みの緩和が期待できます
まとめ
今回は「背骨の腰の部分の動きの低下」がスクワットやしゃがむ動きの膝の痛みに関わる場合について書きました
腰椎が動かないと股関節やお尻、体幹機能が低下し、その低下した分を膝で庇う場合があります
デスクワークなどが多い場合は腰椎が固定されてしまう場合があるので、一度腰椎を意識的に動かすのもいい場合があります
それでは本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました