ストレッチは運動前にしない方がいいのか?

自己紹介
こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です
私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております
このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください
より専門的な内容やスポーツ中の脳震盪に関してのことはこちらのnoteにて記事を書いていますので、そちらもご覧ください
今回の記事はこちら↓
ストレッチは運動前にしない方がいいのか?
「ストレッチは運動前にしない方がいい」
このフレーズはアスリート自身、アスリートに携わる方や運動系の雑誌を購読されている方は聞いたことがあるかもしれません
このフレーズの由来となったのは、ジャンプ能力(どれだけ垂直に高く飛べるか)を計測する研究を行い、1つのグループはふくらはぎの静的ストレッチをしてから、もう1つのグループは静的ストレッチ無しで行った場合、後者の静的ストレッチ無しグループの方が高く飛べた結果が出たからです
※静的(せいてき)ストレッチとはストレッチ方法の1つです。シンプルな表現ではありますが、1つの箇所を長い時間伸ばし続けるようなやり方です
これにより「静的ストレッチは直後に行う運動のパフォーマンスを下げる」と考えられました
そしてこの他にも静的ストレッチがその後の運動のパフォーマンス低下に繋がると結論づけた研究結果は多く出てきました
そのような研究結果の積み重ねが世の中にも知れ渡るようになり、「ストレッチは運動前にしない方がいい」という考えが広まったのだと思います
ただ、本当にそうなのか?
ジャンプなどの瞬発的な力を発揮する直前、もしくは非常に重い負荷をかけてトレーニングする直前に静的ストレッチを行うとパフォーマンスが低下するのは身体の構造や仕組みを理解していればある程度納得は出来ます
しかし、実際のスポーツやトレーニングの前に行うウォームアップでは、静的ストレッチの他にもジョギングや体を動かすものも多くあります
ウォームアップは静的ストレッチだけでその後にすぐトレーニングや練習を行うという人はジムでもスポーツ現場でも基本的にはいないので、上記の研究を考慮して全てのウォームアップから静的ストレッチを省いてもいいのでしょうか?
ウォームアップには他の運動を静的ストレッチと組み合わせて行えば、パフォーマンス低下には繋がらないのではないでしょうか?
このような疑問が湧きます
この疑問に対しての1つの答えとなる文献がありましたので、ここでご紹介します

これは2019年に発表された論文で、この論文の結論から言ってしまうと
「一般人の場合は運動前にウォームアップの一部として静的ストレッチ(60秒以内)を組み入れるべき」
「アスリートの場合は静的ストレッチによる筋発火やパワーを低下させる影響がほぼ無視出来る程度ではあるが発生はするので、ウォームアップに加えるのは注意が必要」
と記載されています
つまり、先ほどの疑問に対する答えとしては
ウォームアップは静的ストレッチだけでその後にすぐトレーニングや練習を行うという人はジムでもスポーツ現場では基本的にはいないので、上記の研究を考慮して全てのウォームアップから静的ストレッチを省いてもいいのでしょうか?
→「一般の方であれば運動前の静的ストレッチは一つの箇所で1分以内であればそこまで気にする必要はない。それよりも取り入れるべき」
→「アスリートであればパフォーマンス低下の可能性への注意は必要」
ウォームアップには他の運動を静的ストレッチと組み合わせて行えば、パフォーマンス低下には繋がらないのではないでしょうか?
→「一般人の場合は1分以内の静的ストレッチであれば気にする必要無し」
→「アスリートであればウォームアップの一部として静的ストレッチを取り入れても、パフォーマンスの低下への影響がある可能性がある」
以上のようになります
アスリートが静的ストレッチを取り入れるかどうかは、個人個人によって違ってくるだろうなと思います
その個人の身体の状態、今までウォームアップの仕方、個人の静的ストレッチ後の感覚、怪我の有無や既往歴、今日のトレーニング内容、その日のメンタルの状態など、一概に「静的ストレッチは短くてもダメ!」というわけではないかなと思います
ただ、一般の方であれば「静的ストレッチは運動前に絶対やらない方がいい!」という訳ではなく、むしろウォームアップの一部として取りれるべきと言えます
当店でも静的ストレッチはウォームアップの一部として取り入れていますが、その理由や目的を次回の記事でまとめようと思います
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました
参照文献