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スポーツ中や日常生活中の落雷事故の予防


自己紹介


こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です


私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳振盪リハビリを行っております

このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください


本日の記事はこちら↓


スポーツ中や日常生活中の落雷事故の予防


先週ぐらいから雷を伴う豪雨が東京近郊でも発生しています


滋賀ではランニング中に落雷に打たれてお亡くなりになられた方もいらっしゃいました(そのニュースはこちら


落雷は雷雲が近づいてきて起こる場合もありますし、ゲリラ豪雨の様に急に発生する場合もあります


今回の記事ではスポーツ中や日常生活中での落雷事故の予防方法をまとめたいと思います


予防方法の参考にした機関や団体は以下の3つです


日本:気象庁

アメリカ:Centers for Disease Control and Prevention (CDC)

アメリカ:National Athletic Trainers' Association (NATA)


CDCの名前を聞いたことがある方はいらっしゃるかもしれませんが、アメリカにある病気や疾患、事故などの世界的に影響力のある研究機関です


NATAは私が保有している資格でもある「アスレティックトレーナー(ATC)」という職種の会員が所属する学会です


アスレティックトレーナー(ATC)に関しての説明はこちらをご覧ください


さて、肝心の落雷事故の予防方法ですが、これは大きく分けて3つの段階があります


1 雷雲が近づく可能性がある時

2 雷雲が近づいている時

3 雷雲が去った時


これら3つに段階に分けて、それぞれの段階でとるべき予防方法をまとめたいとおみます


1 雷雲が近づく可能性がある時


この段階ではまだ差し迫った危険はない状態です


ですが、この段階で危険が迫った際にどうするのか準備などをしていくことが非常に重要です


具体的には以下の様な質問への答えを準備しておくことが大切です


スポーツ中に雷雲が近づいてきている場合

①どこに避難するのか?

②いつ避難するのか?

③誰が練習や試合を中止して非難する判断をするのか?

④誰が雷雲が実際に迫っているかどうかをチェックするのか?


日常生活では

①子供たちの登下校中に雷雲が迫っている時は、どこに避難するのか?

②いつ避難するのか?


いかがでしょうか?


大人であれば雷雲が近づいていれば、屋内にすぐに避難できますが、子供達やスポーツの練習や試合中であれば雷雲に気づかない場合もあります


上記の質問への答えを準備しておくことで落雷事故の予防には非常に役立ちます


その答えを作成する上で参考となる情報は以下のとおりです


避難場所の選定

避難場所はあらかじめ決定しておくことで、実際に雷雲が接近しているときに素早く対応できます(特にスポーツや部活動中では)


避難場所は完全に四方八方を閉め切れる建物である必要があります


ですので、屋根だけがあるようなゴルフコースにある小屋や、サッカーや野球のベンチでは避難場所に適しません


落雷は真っ直ぐ落ちるわけではなく、地面に近いところでは横方向にも移動するので完全に閉め切った建物が必要です


車やバスも閉め切れるので一時的な避難場所として適しています


他にも「水道や電気が通っている(住もうと思えば住むことが出来る)」という場所も避難場所に適する場合が多いです


この点では物置小屋のような締め切ることは出来るけれども水道も電気もない建物は避難場所として適しません


また、屋内であっても窓の近くや水道の近く、電線の近くは雷が伝わる可能性もありますので、そこからは離れる必要があります


子供たちの登下校中に雷雲が迫ったり、ゲリラ豪雨が発生した場合もあらかじめ登下校の道中で避難場所をいくつか用意しておくのが理想です


都心部であればコンビニやスーパーなどがいいかもしれませんが、地方ではその準備が難しくなると思います


その点で地方では登下校中の地域住民の協力も必要かもしれません


避難のタイミング

雷雲が迫っている場合、どのタイミングで避難を開始するかを決めておくことは非常に重要です


落雷は頭上に雷雲がある時に起こるといわけではありません


落雷のうち10%は雷雲の端よりも外側に落ちているとの報告があります


ですので、上を見上げた時に雷雲がなくとも、近くに雷雲があれば落雷の危険性はあります


どの程度雷雲が近づいていれば危ないのかというのは、今のところ9.63kmが提示されています


つまり自分の上の空は青くとも、自分から9.63km以内に雷雲があればいつ自分に落雷があってもおかしくはないという状態です


ですので、避難は雷雲が9.63km以内に入る前に完了する必要があります


NATAでは雷雲が24.1km以内にあれば雷雲の動きに注意し、もし雷雲が16.1km以内に近づいたら避難を開始すべきとしています


雷雲が自分からどの程度近い場所にあるのかを判断するには、テクノロジーを使わないのであれば雷の光とその後の音の時間差を計測するのが簡易的ですが便利です


遠くにある雷雲で雷が光るとその後に遅れて音が聞こえます


光の速さは秒速約30万km、音は秒速約340mです


ですので、雷が光ってから何秒後に雷の音が聞こえたかを計測すると、自分の地点から雷がどの程度近いのがわかります


例えば雷が光ってから20秒後に音が聞こえた場合、秒速340m x 20秒 = 6800m


自分の位置から6.8km以内に雷雲があることになります


雷雲から9.63km以内にいる時は避難が完了する必要があるので、この20秒の時点では屋内にいるべきですね


ここで先程の避難のタイミングとこの音の計測方法を合わせると、


雷雲の動きに注意:24.1km、光ってから音まで約71秒(これは聞こえない場合もあります)

避難開始:16.1km、光ってから音まで約47秒

避難完了:9.63km、光ってから音まで約28秒


もしスマホなどを携帯出来る状態であれば、気象庁の雷ナウキャストが便利です


雷ナウキャストでは落雷が起きている場所は落雷の危険性がある場所を地図で示してくれます


(気象庁より)


この雷ナウキャストは10分ごとに更新されるので、最新の情報が手に入ります


これは自分の地点からの距離は出ませんが、1時間後の予測も出るので参考にはなるかと思います


同じ機能でYahoo Japanの雷レーダーも便利です(URLはこちら)


誰が避難指示を出すのか?

部活動中では顧問の先生やコーチ、もしくは校長先生や教頭先生といった指示を出しやすい方が生徒の安全を守るために避難指示を出すのがいいと思います


他のスポーツ現場ではアスレティックトレーナー、もしくはPCなどで雷の動きを把握しやすいチーム運営の事務方の場合もあります


大切なのは避難指示が出た場合は、異論は認めずに避難を開始することです(その為にあらかじめ雷雲が近づいている時にどう行動するかを決めておくのが大切です)


「まだ大丈夫」「雷雲はこっちにはこない」と言って屋外に居続ける方もいるのですが、安全第一です


2 雷雲が近づいている時


雷雲が近づいている時に行うことは、上述にある様にあらかじめ決められているべきです


光ってから音がなるまでを計測したり、雷ナウキャストなどで近づいている事を確認します


避難開始の距離まで雷雲が近づいてくれば、淡々と避難を開始ます


一般の方で屋外にいる方は近くの屋内施設に非難する、屋内にいる方は屋外に出ない


スポーツ中の方は決められたルールに従って屋内に移動する


それが試合中の大切なタイミングであっても、避難が遅れることはあってはなりません


もし雷雲がかなり近づいている時に適切な避難場所がない場合は以下の注意が必要です

・高い物体(建物や木)や水に近づかずかない

・丘などの周りよりも高い場所から逃げる

・頭を抱えて四つん這いの様な姿勢になり、なるべく地面と身体が接触する面積を減らす


落雷の危険性はあるものの、止むを得ない場合は上記を行うのでも落雷のリスクは減らせる可能性があります


3 雷雲が去った時


雷雲が去ってもすぐに外に出るのはまだ落雷の危険があります


最後の落雷があってから30分は屋内に留まるべきとCDCとNATAは提言しています(気象庁ではこの数字は20分としています)


実際に野球の練習試合中、雷雲のため中断になったものの、雷雲が過ぎ去ってから再開した直後、投手の選手に落雷が落ちた死亡例もあります(そのニュース)


雷雲が過ぎてもすぐには屋外に出ず、30分ほどは様子を見ることが必須です


まとめ


今回は少し長めの記事となりました


落雷事故は適切な予防を講じれば100%防げると言われています(他の熱中症などもそうですが)


特にスポーツ中ではアドレナリン出ていたり、適切な雷雲の接近をチェックできずに、避難が遅れるということはあり得ます


ですので、あらかじめの準備が非常に重要になります


今回参考にした資料は以下のとおりです


気象庁

気象庁 雷ナウキャスト

National Athletic Trainers' Association

National Athletic Trainers' Association Position Statement

Centers for Disease Control and Prevention


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました


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