スポーツ選手の怪我予防について ③

自己紹介
こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です
私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております
このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください
本日の記事はこちら↓
スポーツ選手の怪我予防について ③
4日前の記事「スポーツ選手の怪我予防について ①」で、スポーツ選手の怪我予防で私が重要だと思う事は
「ウエイトトレーニングが出来る状態での、個人に合わせたウエイトトレーニング」
だと述べました
そして昨日の記事では上記の文を3つの要素に分解し
1 ウエイトトレーニング
2 ウエイトトレーニングが出来る状態
3 個人に合わせる
この中の「1 ウエイトトレーニング」について、なぜウエイトトレーニングが怪我予防に繋がるかをご説明しました
今回は「2 ウエイトトレーニングが出来る状態」とはどうゆう事かをご説明したいと思います
ウエイトトレーニングが出来る状態とは、2つの状態を示しています
1つ目は実施する種目で怪我や痛みがない状態
2つ目は実施する種目に必要な身体や関節の準備が出来ている状態
この2つとなります
1つ目の「実施する種目で怪我や痛みがない状態」ですが、怪我があればウエイトトレーニングは損傷箇所にとって過剰な負荷となってしまう場合もあり、怪我を悪化させてしまう危険性もあります
痛みがある中でウエイトトレーニングをしてしまうと代償動作などが生まれてしまい、身体のバランスが崩れる可能性も高いです
そのような代償動作が次の怪我に繋がる可能性もあるので、怪我や痛みがある中でのウエイトトレーニングは慎重になる必要があります
ただ、怪我があっても実施可能な種目もあるので、「怪我がある=ウエイトトレーニングは全て禁止」というわけではありません
例えば膝の怪我がある選手であっても、上半身のウエイトトレーニングは可能ですし、怪我をしていない方の足のウエイトトレーニングも可能です
また膝の怪我によってスクワットでは痛みがあっても、ヒップスラストという種目やケトルベルスイングといった種目では痛みがない可能性もあります
ですので、実施するウエイトトレーニングの種目で痛みの悪化や代償動作が伴わないことが必要です
次に2つ目の「実施する種目に必要な身体や関節の準備が出来ている状態」です
これは少しわかりにくいので、スクワットを例としてあげたいと思います
スクワットはやり方やしゃがむ深さも色々とありますが、ここではバックスクワットという背中に重りを載せ、膝と股関節を結んだ線が地面と平行になるまでしゃがむ場合を想定します(シンプルに言えば和式トイレのように深くしゃがむと思ってください)
特に痛みや怪我もなかったとしても、スクワットに必要な身体や関節の準備が出来ていなければ適切なフォームの習得は難しく、逆に代償動作などが発生しやすいです
先ほども述べましたが代償動作は身体の動きの癖になりやすい印象で、それはスポーツ中の怪我に繋がる可能性があります
ではスクワットに必要な身体や関節の準備とは何でしょうか?
例えばスクワットで深くしゃがむには、足首・膝・股関節に十分な可動性が必要です
もしこのどれか1つの可動性が低下していれば、他の関節が過剰に動く必要に迫られたり、腰や体幹などの安定すべき関節を代償して動かす、重心が安定しにくいなどの影響が出てきます
そして「スクワットで深くしゃがめる」=「足首・膝・股関節に十分な可動性がある」というわけでもありません
見た目は深くしゃがめていても、実はそれぞれの関節は適切に動いていなかったり、代償動作が入っているような場合があります
例えば足首の関節に可動性制限がある場合、スクワットでしゃがめたとしても踵が過度に内側に倒れる、爪先が外側に向く、膝が内側に入る、体重が小指側に載る、骨盤が後傾するなどの代償動作が見られやすいです
ですので、スクワットの前に、スクワットに必要な可動性が足首にはあるのか?膝ではどうか?股関節は?
もし足首に可動制限があれば、それは何が原因なのか?スネと足首の間の関節か?足首と踵の骨の関節か?もしくは足の甲の関節か?捻挫の後遺症で関節のハマりが悪いのか?
スクワットを行う前に1つ1つの関節が正常に機能し、スクワットを行うのに十分な条件が整っている必要があります
ここでは足首・膝・股関節の可動性を例に上げましたが、可動性があってもそれを自分で思うように動かすことが出来る必要もありますし、背骨や肋骨、肩甲骨、鎖骨などの可動性や安定性も必要になります
ですので、ウエイトトレーニングで実施する種目に必要な身体や関節がその種目を行うのに必要な条件を全て揃えている必要があり、もしそうでなければ種目の質が低下したり代償動作となって現れる可能性があります
シンプルに言ってしまうと、”スクワットでしゃがむには足首が45度は曲がらないといけないのに、今の足首の最大可動域が30度であれば、スクワットを行う条件が揃っていないし、スクワットをやったとしても代償動作が入る可能性が高い”
このように言えると思います(数字は例えなので正確ではありません)
ただ、アスリートであれば色々な怪我や手術で動かない関節なども出てきます
これらに対処する為に「3 個人に合わせる」という部分が必要になってきます
これに関してはまた次回まとめたいと思います
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました
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