子供のスポーツ中の脳震盪:脳震盪による目やバランス機能低下発生のリスク要素


自己紹介


こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川慶彦です


私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております


このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください


毎週日曜日はスポーツ中の脳震盪についての記事を書いています


この記事は以前にnoteで書いたものこちらのブログに移しています


子供のスポーツ中の脳震盪:脳震盪による目やバランス機能低下発生のリスク要素


スポーツ中の脳震盪(SRC)は大人だけでなく子供にも起こりえます


脳震盪の症状はさまざまで頭痛、吐き気、集中できない、目がチカチカする、イライラする、など非常に多岐にわたります


そして目やバランス能力の低下も起こる場合があり、それは前庭動眼機能不全(ぜんていどうがんきのうふぜん)よも呼ばれます


この前庭動眼機能不全とは英語でVestibulo-Ocular Dysfunciton: VOD)と言います。スポーツ中の脳震盪後にVODが起きた場合、それが起きなかった場合よりも回復に倍の時間がかかったり、脳震盪後症候群(Post-Concussion Syndrome: PCS)という状態に4倍なりやすくなるとも言われています


ですので、VODになりやすいグループやリスク要素がわかれば脳震盪からの回復の時間の目安なども立ちやすくなり、さらにVODの為のリハビリプログラムも早期から開始できる可能性があります



今回ご紹介する文献では平均14歳、399名の脳震盪を受傷した子供を対象とした研究を行い、その中で何名がVODを発症し、どのような要素がVODに繋がるかなどを考察しています


結果だけを端的にまとめたいと思います


399名のうち、306名はSRC受傷日から30日以内(急性SRC)、残り93名はSRC受傷日から30日より長く症状が残っており、専門医から脳震盪後症候群(PCS)と診断された患者でした


この306名の急性SRC患者と93名のPCS患者の検査を行った所、

・306名の急性SRC患者のうちVODがあるとして認められたのは92名(30.1%) ・93名のPCS患者のうちVODがあるとして認められたのは40名(43%)


さらにこれらの患者の初期症状などの項目を統計的に処理し、VODを引き起こす要因で強いと判定されたものは、

・SRC受傷時のめまいの症状 ・SRC受傷前の鬱の既往歴 ・女性 ・SRC受傷時に”何かに集中しにくい”という症状 ・SRC受傷時の健忘症


そして306名の急性SRC患者のうち、症状が長引いてその後PCSと診断された患者は122名(40.1%)


PCS患者の初期症状などを統計処理し、PCSに繋がる要因で強いと判定されたのは、

・VOD ・SRC受傷時の健忘症 ・SRC受傷前の鬱の既往歴


以上の結果となりました


まとめ


脳震盪を受傷した子供の約3割はVODを発症しており、そしてVODがある場合は症状が通常よりも長く続く可能性が高いことがこの研究からわかります


さらに受傷時の症状の出方でVODになる可能性が高くなる場合も判断でき、それはVODの早期発見・早期対応に繋がるのではと考えられます


参照文献


Clinical predictors of vestibulo-ocular dysfunction in pediatric sports-related concussion
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