自動と他動、混ぜるな危険!?


こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川です


昨日のブログ記事で「可動性についての続き」について書きました


その最後に、「可動性の自動と他動は混ぜるな危険!」だと私は考えている事を述べました


この記事ではその理由を書いていこうと思います


その前に前回までのまとめを簡潔にまとめようと思います


前回までのまとめ


柔軟性と可動性の違い

柔軟性:1つ1つの筋肉の伸びやすさ

可動性:1つ1つの関節の動きやすさ(動きの質)


可動域と可動性の違い

可動域:1つ1つの関節の動く範囲(動きの量)

可動性:1つ1つの関節の動きやすさ(動きの質)


可動域の種類

自動可動域:自分で動かせる1つ1つの関節の動く範囲

他動可動域:他人や外からの力で動く1つ1つの関節の動く範囲


可動性の種類

自動可動性"Movability":自分の力で関節を動かした際の動かしやすさ

他動可動性"Mobility":他人や外からの力で関節が動いた際の動かしやすさ


柔軟性vs可動性vs可動域の言葉の違い(私の中の考えの定義です)と、可動性と可動域には自動vs他動があることを前回までは書いてきました


これらの言葉の中で、可動性と言ったときに自動と他動がごっちゃになって使われている場面を時々遭遇します このごっちゃになって使われている事は望ましいことではないと思っており、以下がその理由となります


可動性の自動と他動、混ぜるな危険!


上記で自動での可動性を"Movability"、他動での可動性を"Mobility"と定義しました


混ぜるな危険のいちばんの理由は、MobilityはあるのにMovabilityが低下している時があり、可動性という言葉で自動と他動を一括りにしていると、その低下している事実を見逃す時があるからです


言い換えると、関節を他人が動かす分には動くけれども、同じ関節を自分が動かそうとすると同じように動かない・動きにくいという意味です


股関節を例にして考えてみます


股関節のチェックでSLRというのがあります(これは裏ももの筋肉の柔軟性をチェックする際にも使われますが、ここでは股関節の可動性の可動域のチェックとして用います)


↓SLR:膝を伸ばしたまま足を上げていきます


写真のように他人に足を上げてもらった時の動く幅が他動可動域、動きやすさがMobility(他動可動性)です


Mobilityは動きの質をチェックするので、動かし始めから終わりまでの動きのスムーズさや、動かされている時に感じる硬さの範囲や箇所などをチェックします 例として、SLRは他動可動域が90度(足が直角まで上がる)、Mobilityは正常だとします


では次に自動での動く幅(自動可動域)と動きやすさ(Movability)をチェックしたとします


前回の投稿でも書きましたが、自動可動域は他動可動域よりも小さくなると書きました


ですので、このSLRでも自分自身で動かした時の方が、他人に動かしてもらった時よりも動く幅は小さくなります


ですが問題となってくるのは、この自動可動域と他動可動域の差が大きい場合、そして他人が動かした場合(Mobility)はすんなりと動くのに、自分で動かした場合(Movability)はぎこちなかったりコントロールが出来ない場合です


まずは自動可動域と他動可動域の差が大きい場合


「どの程度の差が開いていれば異常とみなすか」というのはまだ定義化されておらず、それに関しての文献等もまだ読んだ事はありませんが、私の場合は可動域の差は10度を目安にしています


先ほどのSLRの例だと、他動可動域が90度でも自動可動域が70度であれば改善が必要と考えます。この可動域の20度の差は、言い換えれば”関節自体は動くけど、自分ではコントロール出来ない関節の範囲”と言えます


全ての怪我と関わるわけではありませんが、この”自分でコントロール出来ない関節の範囲”なのに無理に力を入れようとすると、他の身体の部位を無理に使ったり、身体のバランスを崩す原因の1つとなって怪我に繋がるリスクも高まります


自動可動域と他動可動域の差は小さければ小さいほど好ましいと考えています。これはつまり、関節が大きく動くし、関節を大きく”動かせる”からです


そして次にMobility(他動可動性)とMovability(自動可動性)の差がある場合


これは動きの質の差となるので、可動域の場合とはわかりにくいかもしれません


自動で関節を動かそうとすると、その関節だけではなく他の身体の関節を安定させたりする必要があります


先ほどのSLRを行おうとした時に端的に言っても以下の事が必要になってきます


①足を上げるために股関節の前側の筋肉は収縮

②股関節の裏側と裏ももの筋肉は緩む

③膝は伸ばしたまま足を上げるので、前ももの筋肉は収縮

④足を上げる時は股関節の関節の深いところにある筋肉は縮んで関節を安定させる

⑤足を上げると身体のバランスが崩れないように体幹(腹筋)は硬くなる


これら以外にも目には見えないけれども多くの筋肉が働いて足を上げるという動作を行っています


そしてこれらは同時進行で全て行われなければいけません


これらを全ての動きやタイミングのコントロールしているのが脳や神経、感覚器と呼ばれるものです(この辺りはまた別の機会でご紹介したいと思います)


仰向けで足を上げるだけでもこれだけ多くの要素が必要となってきますので、もし1つでうまくいっていなければスムーズに足を上げる事が出来ません


それ故に他人が動かす時にはスムーズに動くけど、自分で動かそうとするとぎこちない、スムーズじゃない、うまくコントロール出来ないなどの事が起こり得ます


このように可動域でも可動性でも、他動では大丈夫でも自動では大丈夫じゃないという事はよく起こり得ます


可動域を自動と他動でごっちゃにしている事はあまり見かけないのですが、可動性の場合では自動と他動をごっちゃにしているのを時々見かけます


もし、他動での可動性だけをみて「しっかり動いている!OK!」とし、実は自動ではそんなに関節をコントロール出来ていなければ、怪我のリスクも上がりますしトレーニングやリハビリでも思うような成果が得られない場合が多いです


1つ1つの関節がしっかり動いているのか(他動での可動域と可動性)

その1つ1つの関節をしっかりと自分で動かせるのか(自動での可動域と可動性)


まずはこれらの基礎が大事で、それ故に自動と他動(特に可動性)は混ぜるな危険!と考えていいます


今回は以上となります


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました


爪川慶彦

東京都文京区のパーソナルジムCalant代表

運動生理学修士

アスレティックトレーナー(ATC:アメリカ国家資格)

ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)

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