スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート12 肩甲骨の動きの低下

自己紹介
こんにちわ、Calantスポーツリハビリ&パフォーマンスの爪川です
私は東京都文京区白山のパーソナルジムCalantで一般の方からアスリートまでのパーソナルトレーニング/スポーツリハビリ/脳震盪リハビリを行っております
このブログを通して私の考えや役に立つ豆知識などを発信しておりますので、是非ご一読ください
前回のまとめ
前回の記事ではスクワットやしゃがんだ時の膝の痛みの原因の中から、「肋骨の動きの低下」が原因の膝の痛みについての詳細やチェック方法、改善方法をご紹介しました
肋骨は呼吸と共に「広がる」「狭まる」という動きを行います
この動きに制限があると横隔膜や腹筋などの筋肉をうまく使うことが出来ずに体幹が安定しにくくなります
そして胸椎という前々回でご紹介した部分の動きにも制限がかかりやすくなります
これによりさらに体幹の安定性や股関節・お尻の筋肉の機能をうまく使えない状態になります
これらによってスクワットやしゃがんだ際に膝への負担が集中して痛みに繋がる場合があります
今回は肋骨の動きとも関係が深い「肩甲骨の動きの低下」によって膝の痛みに繋がる場合をまとめたいと思います
スクワットやしゃがんだ時の膝の痛み パート12
肩甲骨の動きの低下
目次
1 肩甲骨の動きの低下とは?
2 肩甲骨の動きのチェック方法
3 肩甲骨の動きの改善方法
4 改善方法を試して効果があったかのチェック
1 肩甲骨の動きの低下とは?
「肩甲骨」という単語はかなり社会的にも認知度が高くなっていると思います
「肩甲骨を動かす」や「肩甲骨をほぐす」という表現が多く出回るように、肩甲骨が制限なく動ける状態にしておくのは非常に大事ですが、肩甲骨は動きやすいように作られている分、動きの制限も起きやすい部分の1つです
肩甲骨は背中についていますが、実はほとんど肋骨の上に浮いている状態です

ですので、肩甲骨の位置というのは肋骨の位置や肩甲骨周りの筋肉が引っ張り合う中でちょうどバランスがいい場所に落ち着きます
ですので、もしデスクワークなどでずっと猫背のように姿勢になっている方は胸の筋肉が縮こまりやすく、それによって肩甲骨は前側に引っ張られていきます
このように日常生活での姿勢や動作に肩甲骨の位置や動きは非常に影響を受けます
そして肋骨の動きと肩甲骨の動きというのも非常に重要です
これら2つはほぼ表裏一体で、一方の動きに制限があればもう一方の動きにも制限が出やすいです
肋骨は息を吸えば広がり、息を吐けば狭まると前回書きました
もし息を吸う時に肋骨は広がるけれども、息を吐く時に肋骨を狭めることが出来ない場合(息を吐ききれない場合)、極端に言うと肋骨は広がったままの状態になります
肩甲骨は肋骨の上に浮いている状態なので、肋骨を狭まった時の肩甲骨の動き方、肋骨が広がった時の肩甲骨の動き方というのがあります
上記の肋骨が狭まることが出来ない場合、肩甲骨も同じように動きに制限がかかります
このように肋骨と肩甲骨の動きは非常に密接に関わっています
では、なぜ肩甲骨の動きの低下が膝の痛みに繋がるのでしょうか?
ここは肋骨や胸椎の動きの低下に関しての記事をお読みの方はもう気づかれたかもしれません
簡潔にすると下記のような連鎖が起こります
肩甲骨の動きが低下する
→肋骨の動きが低下する
→胸椎の動きが低下する
→体幹を安定させる筋群がうまく使えない&股関節やお尻の筋肉もうまく使えない
→スクワットやしゃがんだ時に膝に負担が集中して痛みに繋がる
肩甲骨の動きの低下全てが膝の痛みに繋がるわけではありませんが、可能性としては十分に考えられます
また肩甲骨の動き自体は低下していなくとも、肩甲骨をうまく動かすことが出来ない場合も膝への痛みに繋がる場合があります
ただ、これは技術的な問題なので使い方を練習してコツを学習すればあまり時間もかからず解決できる場合が多いです
2 肩甲骨の動きのチェック方法
肩甲骨の動きは多岐に渡るのですが、ここではスクワットを行う際に必要な動きのチェック方法をご紹介します
それは以前にもご紹介したパッキングという動作です
このパッキングの姿勢はちょうど猫背と真逆のような胸を張った姿勢になります
この動作は肩甲骨同士を背骨に近づけるような動きを伴い、正しく行えていると肩甲骨の間の筋肉を使う感覚が得られます
さらに肩甲骨同士を背骨に寄せることにより、肩甲骨が背中を後ろから押すような状態になります
そうなると胸椎を反る動き(伸展)が行いやすくなり、体幹の安定性が増します
もしパッキング動作が行えない場合、肩甲骨の動きが低下している場合が考えられます
また肩甲骨以外にも肩関節、肋骨、胸椎といった周辺部位の動きの制限でもこのパッキング動作は行いにくい場合があります
3 肩甲骨の動きの改善方法
ではもしパッキング動作が出来なかった場合はどうすればいいのでしょうか?
前回の肋骨の動きの低下の記事では、「ほぐす」「ストレッチ」「動かす」といった方法で肋骨の動きの制限を改善しましたが、今回も同じような方法となります
まず「ほぐす」ですが2カ所ほぐしていきます
1つ目は前回と同じの肩甲骨の外側(動画はこちら)
2つ目は背中の胸椎と言う部分をほぐします(動画はこちら)
次に「ストレッチ」ですが、これは3カ所行います
1つ目は背中から脇にかけてのストレッチ(動画はこちら)
2つ目は胸のストレッチ(動画はこちら)
3つ目は首から肩にかけてのストレッチです(動画はこちら)
そして最後に「動かす」ですが、これも3つあります
1つ目はチェストオープナー(動画はこちら)
2つ目はチューブロー(動画はこちら)
3つ目は胸椎の伸展(動画はこちら)
順番としては「ほぐす」→「ストレッチ」→「動かす」が理想ですが、それぞれ単体でやったり順番を変えても効果が出る場合があります
4 改善方法を試して効果があったかのチェック
上記の改善方法を試したら再度パッキングを行ってみてください
少しでも棒が下がる、肩甲骨がより動いた、肩甲骨の間の筋肉を使っている感じが強くなったら、改善方法の効果があった可能性があります
このパッキングの動作はスクワットを行う際(バックスクワットでバーを担ぐ時)の動きと基本的には同じですので、実際にスクワットを行う時もこの肩甲骨同士を背骨に近づける感覚を保ちながら動作を行ってみてください
もしこの時に体幹がより安定するような感覚があれば、肩甲骨の動きの低下(もしくは使い方の不良)により体幹の安定性が低下していた可能性があります
肩甲骨の動きはスクワット以外にも日常生活で非常に大事になってきますので、是非一度このパッキングの動作を試してみて、ご自身の肩甲骨が動くかをチェックしてみて下さい
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました